人情網について(プロローグ)


「人情網」という言葉について馴染みの少ない人も多いと思いと思う。


この言葉は、私が香港に来て最初に学んだ中国社会を理解する上での大切な
キーワードの一つである。


「人情網」と題して、「自分に影響を与えてくれた人物」について記していく上で、まずこの言葉の持つ意味を
あらためて確認しておきたいと思う


「中国人と気分よくつきあう方法」(講談社出版)の著者である花澤 聖子さんによると、中国人は「人と人との関係」
をとても大事にして生活をしており、その関係を上手に作り、上手に保ち、上手に利用する事が上手に生きる「鍵」
であると御自身の中国滞在の経験を通して述べている。


自分を中心に、網の目のように広がる人間関係のネットワークを作り上げている。この「関係(ネットワーク)」こそが
「人情網」である。


紙の中心に小さな点で自分を置き、「同期」・「親戚」・「メンター」といった自分なりのキーワード毎に思い付くままに
自分に影響を及ぼした人物を書き出してみると良い。その点と点を結んでいくとその線は、本当にクモの巣の如く、
網の目を形成する。


如何に自分が様々な人に支えられて生きているかを再認識すると共に、この関係が一方通行とならない為に自分
自身がそれらの人々に対してできる事は何かを指し示すヒントを与えてくれるだろう。


私はこの「人情網」を単なる「人脈図」としてでは無く、上手に生きる術を享受させてもらった事を通して、それを
どうやってその人または、新たな人に対して還元(貢献)できるかを考えさせる「ツール」として捉えたい。


この「はてな日記」も形を変えた一つの「私の人情網」となればと思っている。