別れ


「悲しい知らせが日本から届いた。」と思った。


入社以来、喜怒哀楽を共にし青春を分かち合った同志が会社を去る決断をした。右も左も分からぬ新入社員の
私をゼロから叱咤激励し、見守ってくれた人生の大先輩もまた、会社を去る事を決断された。


それぞれの思いを胸に秘め、様々な人生の決断をした人は他にもいる。


「人生は一度きり。」 その人生をどう生きるか。道案内をしてくれる人はいない。


先が見えない人生だからこそ、人は悩み、必至に生きようともがき、知恵を絞るのだと思う。可能性を秘めている
人生だと思えるからこそ、人は全力を振り絞って切磋琢磨できるのだと思う。


自分で選んだ道なら、自分自身に対する責任と共に、「後悔しないという自由」を同時に手に入れる事ができる。


「最後の挨拶」を読み終えて、「悲しい知らせ」と取るのは浅はかな考えだと思い直した。


友の「責任の伴う決断」と「新しい旅立ち」を悲しんでどうするのかと。


直接挨拶ができない彼等にこの場を借りて、新天地での活躍を心より願ってやまない事を伝えたい。


森山 直太朗の「さくら」を聴きながら、春爛漫の日本を思い浮かべ郷愁を感じた。


「さらば友よ 旅立ちの刻 変わらぬ想いを今。 またこの場所で会おう。桜舞い散る道の上で。」